第24回 狂言「やるまい会」東京公演

少し前のことになってしまいましたが、去る10月25、26日に開かれた「やるまい会」の東京公演を観に行ってきました。「やるまい会」とは、狂言和泉流野村又三郎家狂言の公演で、東京と、野村又三郎家の拠点である名古屋で開かれています。はてなキーワード作っておかねば。


今回は、昨年12月に亡くなられた野村又三郎師の門下の野口隆行さん・奥津健太郎さんが、大曲「釣狐(つりぎつね)」を披き(ひらき)ました。「披き」とは、能楽師が特定の演目の主役を初めて演じることを言います。「釣狐」は狂言卒業論文に例えられる大きな演目。狂言の修行の過程は、「猿に始まり狐に終わる」とよく言われます。「靭猿(うつぼざる)」の小猿の役から始まって、「釣狐」の狐の役で修行の成果を披露して一人前と認められるのです。とはいえ、「四十、五十は洟垂れ小僧」と言われる厳しい世界です。


……研究家ではないのでところどころ間違っているかもしれません。ご指摘あればよろしくお願いします。


説明はこれくらいにしまして。私が観たのは25日の奥津さんの釣狐。大曲でありながら観るのは初めてです。普通の狂言の演じ方とは全く違う、圧倒される内容でした。感想を表現するのが下手なのがもどかしいのですが、狂言師の晴れ舞台を観ることができて本当によかったです。


人間国宝である野村萬師の演じる「千切木」もとても味わいがあって、さすがだと思いました。狂言らしい狂言で、野村小三郎師の妻役がうまく合っていて楽しかったです。


狂言を好きになったのは社会人になってからで、まだまだ勉強中といったところですが、せっかく関西に住んでいるので、近いうちに関西の狂言の公演(茂山家、善竹家)も観に行ってみようと思っています。